ここでは、東京大学メイド研究会がその創設以来刊行してきた冊子・著作の内容を紹介しています。
 研究成果の一部は、archivesのコーナーで公開しております。
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2006
      『東京大学メイド研究会 2006年度研究報告 第2分冊』  品切
  A5中綴/本文60頁/100円/2006年12月31日初版発行  
 2006年度第2冊目の研究報告は、引き続き、「奉公人」制度に関する史料を訳出している。
 今回訳出した史料は、大別して2つに区別できる。第1には、「官房学」と呼ばれる18世紀のドイツで隆盛した学問(今日でいえば、行政法学、経済学、行政学等の性格を併せ持つ学問領域)から、ユスティ、ゾネンフェルスという2名の代表的な論者の著作を取上げ、「奉公人」に関する記述;第2には、前回訳出した1810年プロイセン令と同年にウィーンにおいて公布された奉公人令、である。このうち前者は、前々回取上げたALRよりも状況を反映しており、とりわけ対等な契約関係には解消されない身分的で介入主義的な「奉公人」観が色濃く現れている。



『東京大学メイド研究会 2006年度研究報告 第1分冊』  品切
 A5中綴/本文88頁/100円/2006年8月13日初版発行
 2006年度第1冊目の研究報告は、前回の路線を継続し、19世紀のドイツにおける「奉公人」制度に関する法令・解説を訳出している。
 具体的には、第1には、1810年プロイセン奉公人令をはじめとする4つの「奉公人令」(Gesindeordnung);第2には、奉公人手帳をはじめとする周辺的な制度・問題に関して規律を行う6つの法令;第3には、当時の法令集や法律学書に掲載された「奉公人」制度に関する解説、が今回の対象である。とりわけ第1群・第2群の史料からは、前回取上げたALR以降、ドイツにおいて「奉公人」制度がいかなる変革を遂げたのか、が伺われるであろう。
 なお巻末には、訳出した史料および奉公人制度全般に関する解説を付した。





2005
      『東京大学メイド研究会 2005年度研究報告 第2分冊』  品切
  A5中綴/本文44頁/100円/2005年8月15日初版発行  
 2005年度2冊目の研究報告では、従来とは大きくコンセプトを替え、18世紀のドイツにおいて現実に妥当していた法律の翻訳を公表している。
 対象となっているのは、1794年に施行された「プロイセン一般国法」なる大法典のうち、「奉公人」(Gesinde)に関して規定された部分の法文である。奉公人とは、家庭の内部で契約によって主人(=家長)に仕え、諸々の労務を果たす存在であり、その点でイギリスにおけるmaidservant/domestic servantと類似性を有する。しかし、法文に現れた奉公人と主人との関係は、それとは相当程度に異なったものであり、身分制的な色彩が濃厚で、主人の権限も強力であった。かような奉公人制度は時に後進的とも評されるが、ともあれ、そのありようを知ることは、現在の主な「参考資料」である19世紀イギリスを相対化して捉えることを促す点で、決して無益ではないと思われる。
 なお巻末には、プロイセン一般国法ないし奉公人身分に関する解説を付した。



『東京大学メイド研究会 2005年度研究報告 第1分冊』  品切
 A5中綴/本文24頁/100円/2005年3月21日初版発行
 2005年度1冊目の研究報告では、「雑想集」と題する研究ノートを公表した。
 同稿は、2004年度第1分冊に掲載された「断片集」の延長線上に位置するもので、どちらかといえばヨリ具体的・個別的な諸問題について、笹川が当時考えていたところを、断片的にではあれ公表することを企図したものである。
 考察の対象となっているのは、メイドが「女性であること」のメイド学的意味、メイドの主人に対する従属が生じる事実上の要因、賃金と給与、主人による暴力からの保護、関係の継続性、契約当事者の変更と献身の相手方、メイド服を着ることのメイド学的意味、等等の論点である。





2004

『東京大学メイド研究会 2004年度研究報告 第2分冊』  品切
 A5中綴/本文40頁/100円/2004年12月30日初版発行
 2004年度2冊目の研究報告では、2003年度に続き、「メイド学の学説拾遺」プロジェクトの成果として、「主人の支配・絶対の権力」なる小論を公表している。
 同稿は、17・18世紀に活動したとされる「メイド学者」Antonius Baltusの基幹学説である「主人権」論を概説することを、その目的とする。主人権とは、要するに主人が自身のメイドを支配するための権限であり、多くのメイド学説において共通して論じられてきた問題ですが、Baltusはその中でも最も明確な像を提供している論者の一人である。
 Baltusの理論において、主人権は主人−メイドの関係を識別する絶対的な基準として位置づけられ、事実上は主人による「実力の優越」により、理論的には超越的な主人権の理念を個々の主人が「獲得」する行為により、成立する権限とされる。
 主人権の基本的な特質は、時間的制約にかかわらず存続し、メイドをその全生活にわたり支配し、メイド自身を含めた他者による干渉を受けす、しかも主人自身による分与も自己制約も許されない、というものである。また、この権限は「命令権」という方式によって作用し、そこから人材の配置、メイドに対する懲戒、あるいはメイドに対する待遇の決定、等に関する権能が導出される。そして、権限の行使について「善悪」の問題やメイドによる抵抗の問題は、一切排除されてしまう。
 以上のように、Baltusの主人権論は、「合意」やメイドの不可侵の領域に関する議論を捨象する点で異質でありながら、しかし一般的・抽象的な主人の命令権を抽出し、理論の中核に据える点において、他の多くの学説の礎となっている。その意味で、Baltusの主人権論を簡単ながら理解することは、他のメイド学説を検討する上で、有効な基盤となると考えられる。



『東京大学メイド研究会 2004年度研究報告 第1分冊』  品切
 A5中綴/本文60頁/100円/2004年8月15日初版発行
 2004年度1冊目の研究報告では、「断片集」と題する、一般メイド学に関する諸構想をまとめた研究ノートを公表している。
 同稿の基本的な方針は、従来より用いていた「献身」概念をメイドの指導理念として位置づけ、その意味を詰めるとともに、メイド学の諸問題をそれとの関係で体系的に論じようとするところにある。その意味で、本稿は2002年の「省察録」の一部をヴァージョンアップさせたものであり、2003年の「覚書」を土台として実態的な考察を展開したものと位置づけられる。また、笹川自身のメイド学についての見解を、最もコンパクトにまとめた著作でもある。
 本稿は、具体的には以下のような構成となっている。
 まず、根源的なメイド観(当事者の幸福のための一手段)を明らかにし、前年までに公表した基本方針(現代的再構成と歴史的連続性、社会的相当性)について若干の補足と修正を加える。
 次に、指導理念としての「献身」概念の意義と構造(抽象的・具体的の二段階構成)を明らかにし、そこからの帰結としてメイド関係を生み出す契約の意義と構造(二段階構成)につき検討し、さらにメイド関係に上下関係(仕従)が必然的に伴い、主人に対する抵抗や対等な地位による交渉が例外的であること、献身を求めるため主人には命令権が認められること、というメイド関係の基本的な特質、またメイドが仕える主人が特定少数の他者であるべきこと、が述べられる。
 加えて、メイドにどれほどの資質が認められるか、メイド服はいかなる意義を持ちうるか/特定の形態が要請されるか、そしてメイドと主人の恋愛と婚姻はいかに考えられるか、という問題をも取り扱い、現段階で導かれ得る限りの帰結を明らかにしました。
 さらに、各節には註を付し、主人の命令権を実効的にするための懲戒権/問責権の許容性など、本論に付随する問題にも検討を加えている。





2003
『東京大学メイド研究会 2003年度研究報告』  品切
 A5中綴/本文100頁/100円/2003年12月30日初版発行
 2003年度の年次研究報告では、「メイド学の学説拾遺」プロジェクトに携わった成果の一部を公表した。同プロジェクトは、『撮要』で追跡したMaidlehre以前に存在しながら時代の趨勢の中で散逸した「メイド学」の著作を発掘し、研究を行うものである。本冊子では、Maidlehreのスタッフともに当方が携わった「メイド服の効力を明らかにするための95箇条の論題」「主人論」の2篇につき、翻訳と解説(後者のみ)を掲載している。
 前者は、テクストの背景が一切明らかでない・逸名著者による命題集である。これは、形式をLutherの「論題」に擬しながら、serva(女奴隷/メイド)の身につける特有の服(vestis、メイド服)についてその意義を考究し、それに対して拘泥することの危険性を訴えている。現代において産み落とされたとは考え難いにもかかわらず、しかし現代において無視しえないアクチュアリティを持っていると思われたことが、訳出・公表の動機である。
 後者は、イタリアの「メイド学者」Giorgio Sassoの手になる、主人の側にそのあるべき姿を訴えかける作品である。普遍的な理念やメイドの保護を目指して主人の行動に制約をかけようとする主人論とは異なり、Sassoは現実的な視点から、主人が必要に応じて「悪」を為すことをも許容し、時に実力の行使すら求められる、という議論を展開する。その背後には、まずもっていかに主人のメイド(Sassoに従えば「女召使」)に対する確固たる支配を獲得し、維持していくか、という強固な問題意識が存在している。そして、それが決して理想論のみによっては解決しえない問題でありうることをSassoは繰り返し想起させるのであり、そこに通例のメイド学と異なる特徴を有していると思われる。



『メイド学撮要 全訂版』 品切
 A5オフセット/本文196頁/700円/2003年7月4日初版発行
 2001年刊行の『撮要』の全面改訂版。初版の基本的な方針を受継ぎながら、個々の学説の内容とその相互関係やMaidlehreの最新の動向にも配慮を行い、更に初版に散見された初歩的なミスをも修正し、より「詰められた内容」とすることでMaidlehreの追跡作業を一段落させる、というのが改訂の趣旨である。
 具体的には、第1に章節の構成が変更され、例えば第1章の序説にMaidlehreの「総論的・規範的性格」に関する記述を追加する等ヨリ厚いものとし、初版第6章「メイドなき時代」に関する記述を第2章「通史」の一内容とし、また第3章については形式主義学説との均衡を保つために、初版にあった実質主義寄りの総論を削除している。
 第2に、個々の章節において取上げている学説やその整理にも訂正を加え、例えば「通史」の部分については学説の前後関係に関し、献身概念の部分についてはその発生から現代的・包括的なものとなるまでの変遷に関し、叙述をより明確なものとする一方、E.Hardtmanの「メイドの本質構成」論やM.Rileyの「主人の保護義務」論など初版ではフォローできなかった近時の学説を本論のなかに位置づけ、さらにG.Rodeliusの拡張理論や「メイドと主人の婚姻」問題など思い切って削除した箇所も存在する。
 第3に、個々の章節の末尾に注釈を付し、引用・参照文献を明示するだけではなく、本文中で述べられなかった詳細な問題や、また本論中に位置づけるに至らなかった最新の議論について、説明を加えている。



『メイド哲学論考』(文庫版) 品切
 文庫版オフセット/本文100頁/500円/2003年9月6日初版発行
 2000年発表の「メイド哲学論考」を、文庫の体裁により単行本化したもの。
 内容としては、まず本文については初出時のものをほぼ踏襲し、各命題について詳細な注釈を加えた。。注釈では、各命題の趣旨や他の命題との関係について言及し、のみならずBach自身による「論考」の3つの草稿からも適宜引用を行い、「論考」の形成過程を必要に応じて明らかにし、さらにドイツにおけるBach研究の成果を用いて「論考」の思想をより深く理解しうるよう努めた。
 加えて、巻末には「解説」を書下ろし、Bachの著作の概要、「論考」の製作過程、「論考」の基本思想、「論考」以外の著作との関係、そしてBach自身の略歴、について説明を加えている。(なお、最後の略歴については、初出時に併載した「エーヴィヒハイト・バッハという人間について」を土台とした)。



「一般メイド学基礎論覚書」
 「対談:一般メイド学の課題と展望をめぐって」
 これらの論文・対談は、外部からの依頼に基づき執筆されたものである。
 このうち「覚書」は、笹川が2002年から構想していた「一般メイド学」の基本的な問題について、当時の見解をまとめた綱領論文であり、これまでに公表してきた論文とは異なり、メイドそれ自体に関する実体的な考察はさしあたり省き、それを論じるためのいわば前提問題の論述に特化している。具体的には、「一般メイド学とは何なのか?」、「一般メイド学は何のために、誰のためにあるのか?」、「一般メイド学は可能なのか、そして必要なのか?」、「一般メイド学の考察を、いかに行うのか?」、という4つの基本論点を取上げ、これに関してありうる異説や反論を意識しつつ、現時点における私自身の考え方を提示している。
 また「課題と展望」は、「覚書」を前提として笹川と神宇研究員との間で交わされた対談であり、「覚書」で提示した自説の明確化・検証・補足を行うことを目的としている。神宇氏は主に法律学的観点からの外面的考察を基本姿勢としており、私の考え方と好対照をなす部分が少なくないため(とりわけメイドの内面性をめぐって)、「覚書」の議論の輪郭を明確化する点でも有益である。
 以上2点は、『ご奉仕大好き! メイド本  〜エプロンドレスで尽くします〜』(NANDY小菅・編、日本出版社)に収録されている。





2002
『東京大学メイド研究会 2002年度研究報告』 品切
 笹川による《メイド省察録》を中心としつつ、更に短編小説「カスタード レイン」(萩野真)、「さーが0」(高峰宵待)、の2篇を掲載。
 このうち《メイド省察録》は、2000年、2001年公表の研究を礎石として、笹川自身のメイドに関する思索を体系的に述べた初の著作。メイドを現代という時代に適合した形で再構成する(現代的再構成)というコンセプトのもとに、メイドの最小限度の構成要素を探求する、というのが、その基本的な方針となっている。
 具体的には、第1章で「予備的考察」と題してメイド学の意義、メイド学的消極主義、現代的再構成、社会的相当性、そしてメイドの実質性、等の基本的理念を述べる。第2章からは具体的な考察に入り、同章では「中心的考察」と題し、メイドの最小限度の構成要素として、女性であること、自由意思に基づくこと、主人に対し献身性というメンタリティに基づいて諸々の行為・作用(献身)を行うこと、主人との相互作用に基づく動態的な上下関係にあること、の4つを提示する。これを前提として、第3章は「予備的考察1」と題し、メイド服・契約という2つの要素が必須ではなく任意的な要素であることを述べ、第4章は「予備的考察2」と題し、職業・存在問題(メイドは単なる職業か、それを超えた存在か)、多数当事者問題(メイドまたは主人が複数になった場合の問題)、恋愛と婚姻、という発展問題に対して一定の指針を示す。





2001
『メイド学撮要』(初版) 品切
 20世紀のドイツにおいて展開されてきた、メイドと主人の諸問題をめぐるMaidlehre(メイド学)の学説史を扱ったモノグラフィ。
 《メイド哲学論考》の訳出過程で出会ったMaidlehreの主要問題と到達点を圧縮して紹介することが執筆動機であり、1910年代から80年代までの主要学説・論争を素材としつつ、「形式主義から実質主義へ」のストーリーに沿って検討・紹介を行っている。具体的には、まず第1章でMaidlehreの基本的な意味、形式主義・実質主義そして「通常の家事手伝い」との比較という基本的概念・枠組を説明し、第2章は「メイド学通史」と題してMaidlehreの黎明期そして「形式主義から実質主義へ」の潮流を総論的に検討する。第3章以降では、「メイドの理論」「主人の理論」「関係の理論」と問題領域ごとに諸学説を検討する。すなわち、第3章では、実質主義下で提唱された諸々の「基本価値」(献身、自発性、共存在、主人への依存性、履歴の排除、非代替性)について、形式主義下での議論との連続性に配慮しつつ、夫々の意義につき概説する。第4章では、まず根源的な主人観の問題として、「尽くされる者」としての主人観と、消極的主人観から積極的な主人観への変化を、次に支配者、雇用者、 教育者、保護者という夫々の役割論につき概説する。そして第5章では、メイド関係の諸問題につき、「関係−自立」「固定性−動態性」という対立軸に基づく議論の変遷、そして関係の端緒と終了夫々の時点における問題を概説する。最後に第6章では「メイド学の現代的課題」として、1970年代前後から問題視され始めた「メイドなき時代」の問題を、それに対するMaidlehreからの回答を取上げる。
 なお巻末には、大島伸啓研究員との対談を掲載。論題とされているのは、日本におけるメイド認識の現状と問題点、メイド服の役割・意義、「メイド=奴隷」的思考との向き合い方、そしてメイド研究者としてのライフスタイル、等の諸点。





2000
『PENCLUB29別冊 メイド研究会』 品切
 東京大学メイド研究会として最初に刊行した研究報告。
 当初のメイド研究会のコンセプトは、「メイド」というテーマについて、夫々の書き手がいかにその持ち味を発揮して表現できるか、というもの。そのため、現在の研究報告とは異なり、書き手もその様式も多種多様な作品が集まり、結果として、当時早くも形成されつつあった流行の機運に流されない独特の1冊に仕上がっている。本冊子の目次は、以下の通り。(なお、以下の作品の一部は、archivesコーナーにおいて現在も閲覧することができます。)

 日本メイド史/大島伸啓
 メイド探偵葛城彩乃/葛城和己
 TERRAGRAMMATION/高峰宵待
 メイド哲学論考/エーヴィヒハイト=バッハ著(笹川良一郎訳)
 メイド映画タイトル
 MMR考察論考その1/MMR(Maiden Mystery Researchers)
 メイド! Yeah! Tel!!/葛城和己
 優しさの巣/虹川悟
 メイドブームとパソコンの進化/MMR
 メイドさんアンケート
 メイド文化論/大島伸啓
 メイド哲学/大島伸啓
 メイド御殿/大島伸啓
 たれめいど/しう
 I love you …∞…Are you drunk?=^西方秋生
 メイドin WWW/MMR
 文化百科事典〜メイド〜/トリッキー・カミュ
 メイド法概論/神宇桐人
 メイド句集/メイド句集編集委員会
 小さな不思議の物語/香取扇幸




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